森羅万丈

はてなダイアリー(~2017)から引っ越し、心機一転リスタートです。

堂上剛裕「2月に支配下登録」の深謀遠慮

昨オフに中日を戦力外となった後、巨人と育成契約を結んだ堂上剛裕
キャンプでは実戦7試合を通して打力を存分にアピールし、
土日のオープン戦を終えた直後の23日、見事に支配下選手登録されました。

「育成契約でもオープン戦に出場できるなら、開幕直前まで様子を見るべきでは?」
という意見も散見されますが、人知れず重圧と戦っていたという堂上の心中を、
おそらく現場の首脳陣、そしてフロントも把握した上で、長く様子見を決め込んでいては
開幕を迎える頃には「燃え尽きて」しまう、そんな懸念を抱いたのではないでしょうか。

巨人の鬼門は左投手、というのは現時点では必ずしも当てはまらず、
むしろ苦手にしているのは「右の本格派投手」というのが実情です。
そして、巨人の外野手は層が厚いと言われますが、左打ちの選手を列挙すると、
高橋由伸亀井善行橋本到、いずれも本質的には中距離打者で、力勝負には向きません。
守備力に定評のある松本哲也は、非力が仇となって、レギュラー取りの気配すらありません。

昨年の秋、阪神とのクライマックスシリーズ初戦、勝負所の代打でセペダが起用され、
併殺で倒れて「CS敗退の戦犯」と批判が殺到しながらも再契約が結ばれ、
更に、阿部慎之助一塁手に転向させて、打撃に専念できる環境整備に腐心しています。

そんな諸々の事情を踏まえれば、一年を通してレギュラーとまでは保証できませんが、
貴重な「左の長距離砲」である堂上が、勝負所で活躍することが出来なければ、
日本一奪回はおろか、おそらくはリーグ優勝さえ覚束無いでしょう。

ここまで書いてみて「それなら最初から支配下契約していれば・・・」とも思うのですが、
まさにそのパターンで、同じく昨オフに中日から移籍加入した吉川大幾が
今年に入って影も形も見当たらず、話題にも上らないという事実を踏まえると、
育成契約というワンクッションを挟んだのが、結果的には良かったのかもしれません。

何はともあれ、開幕まで一月ありますし、レギュラーシーズンは半年の長丁場です。
大田泰示のプチ・スランプも話題になってますが、今の時点で一喜一憂するよりも、
シーズンインしてから活躍できるかどうかが肝心なので、じっくり見守りたいところです。