森羅万丈

はてなダイアリー(~2017)から引っ越し、心機一転リスタートです。

まだ「大塚家具の乱」は終わらない

今日の日曜日、一週間を総括するテレビ各局のニュース番組は
27日に行われた大塚家具の株主総会の話題一色という様子でした。

いわゆるワイドショー的な野次馬根性だけでなく
経営承継の難しさを指摘するなど、局や番組の特徴も出ていて
面白く(と言ったら失礼かもしれませんが)視聴させていただきました。

ただ、「親子の経営理念の対立」は各局とも強調していましたが、
実際に現場で働く社員の視点が欠落している、とも感じました。

総会の席上における、母親の「社員をいじめないで」という発言は
各局こぞって流してましたが、株主の野次が被されていたこともあり、
詰まるところ、敗者陣営の「負け犬の遠吠え」的な扱いを出ていませんでした。

日本経済新聞の記事によると、大半の店長は父親側に賛同したとのことです。
要は、社長の掲げる店舗改革に、現場は公然と拒否反応を示しているわけで、
母親の発言を「負け犬の遠吠え」と一蹴できるような状況ではありません。

ですから、株主に対して理路整然と理念を説き、経営権を掌握したのと同じように、
今後は社員に対しても、これまで以上に対話を重ねて、理解を得る必要があります。

言うことを聞かない、自分に対し逆らう、そんな理由で「粛清」を行えば、
結果的に、ワンマン創業者と揶揄された父親の、二の舞を演じることになります。
社長は賢明な方らしいので、そのような愚を犯すとは思いませんが、
理解を得ることに失敗すれば、現場の不満は解消されず、むしろ更に蓄積されます。

一部報道では、父親が「第二の大塚家具」を設立し、社員を大量に引き抜いて
意趣返しするのではと言われていますが、あながち、荒唐無稽な話とも思えません。
たとえ分裂しないとしても、肝心かなめとなる現場の士気が上がらないままでは、
家具業界に限りませんが、厳しい競争を勝ち抜いて、客を呼び込める筈もありません。

テレビが追いかけるのを止めた頃、大塚家具の「その後」に要注目です。