心の拠り所を喪った原辰徳の試練
ペナントレース前半戦の終了時点で、42勝43敗1分、借金1。
交流戦でセ・リーグのチームが総崩れだったこともあり、
首位のDeNAとは0.5ゲーム差ですが、楽観できる状況ではありません。
何より、今の巨人には「伸びしろ」が全く感じられません。
若手は伸び悩み、ベテランは不調、ケガ人は数え切れず。
活躍する選手が出てきても、賞味期限は数試合といったところで
すぐに埋没してしまい、チームを牽引するだけの力は見られません。
そんな中で後半戦を迎えるわけですが、興味深い記事を目にしました。
巨人OBで、ヤクルトと西武の監督しても活躍した広岡達朗氏が
現監督の原辰徳を批判する内容で、総論には賛同しかねるものの、
各論については大いに頷ける部分があり、特に目を引いたのは、
『そういえば原の采配は、昨年父親が亡くなってからおかしくなりましたね。』
この部分については全面的に同意したいというか、せざるを得ません。
もっと言えば、采配に関しては結果論という部分も多々ありますが、
何よりも「覇気」が無く、それが選手に伝播している気がしてなりません。
昨年のクライマックスシリーズで4連敗を喫して敗退したように、
今年のペナントレースも「本来の力はこの程度ではない」と言われながら
気が付けばシーズンが終わり、不本意な結末を迎える気がしてなりません。
ただ、声を大にして反論したいのは、原監督は決して凡将では無いということ。
とかく「戦力不足のチームで勝ってこそ優秀な指揮官」と言われがちですが、
日本球界屈指の選手が揃うWBCで、実力を引き出して優勝という結果を残す、
これを「優秀な選手揃いだから勝てた」の一言で片付けるのは愚の骨頂です。
チームを率いることの難しさは、選手の能力次第で変わるものではありません。
長期政権だったとはいえ、就任時の年齢が若く、まだ56歳。
今年の結果がどうあれ、決して無能や限界の烙印を押すのでなく、
将来的な再就任も視野に入れた「休養」に入っても良いかと思います。