森羅万丈

はてなダイアリー(~2017)から引っ越し、心機一転リスタートです。

なぜ今ファミリーマートとユニーが手を取り合うのか

先週末から今週頭にかけて、国内コンビニ3位のファミリーマート
同4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーの経営統合が話題となり、
実現すればセブンイレブンに匹敵する規模の、新大型チェーンが誕生します。

一方で、ファミリーマートもサークルKサンクスも業績が下り坂で、
統合しても、いわゆる「弱者連合」で実効性に乏しいのではないか、
少なくともファミリーマート側はリスクが大き過ぎる、とも言われています。

もっとも、統合話は今になって急に浮かんできたという物でもなく、
以前から浮かんでは消えていた話が、ここに来て具体化したようなので、
何らかの「材料」が両者を突き動かしたのだと考えるのが自然だと思います。
ファミリーマートの大株主で、ユニーにも出資をしている伊藤忠商事
統合を主導しているとも見られており、筋の通る話ではあります。

ですが、個人的には「楽天」が一枚噛んでいるような気もしています。

ファミリーマートのポイントカードといえば、現在は「Tポイント」ですが、
最近は個人情報の取り扱い方針やポイント還元率を巡る評判が悪化しています。
一方、サークルKサンクスは、「Rポイントカード」を昨年から導入しています。

ここからは完全に個人的な推測ですが、ファミリーマート側が
ポイントカードを「T」から「R」に切り替えを図りたいのではないか、
あるいは、サークルKサンクスだけでは力不足だと判断した楽天
ファミリーマートに売り込みを掛けたのではないか、と。

今週の半ばにも、経営統合協議について記者会見が開かれるとも言われており、
事前報道の延長線上の話に留まるのか、それとも「隠し玉」があるのか、
もうしばらくの間、両社の先行きから目が離せない日々が続きそうです。

菅野智之と大竹寛は「故障明け」であるという現実

オープン戦はあくまでも調整期間と言えばそれまでのことですが、
結果のみならず内容も伴わないと、気を揉んでしまうのがファン心理。
中でも特に心配なのが、菅野智之大竹寛の二人です。

菅野は「開幕投手間違い無し」の下馬評ながら
2月28日のヤクルト戦で打ちこまれるなど本調子に程遠く、
再調整のためオープン戦のローテーションを変更する事態にまで発展。

大竹も、3月3日の日本ハム戦で4回を94球と制球難を露呈。
打撃陣が大谷翔平を打ち込みながら、「逃げ」とも取れる内容に
テレビ解説者からは罵倒同然の厳しい言葉が浴びせられていました。

ただ、忘れてはいけないのは、二人とも「故障明け」であり、
昨シーズンの終盤を棒に振った後の復帰途上であるという点です。

思えば、杉内俊哉も巨人移籍初年度(2012年)の投球内容は凄まじく、
相手打線を寄せ付けない、まさしく「エース」に相応しい働きでしたが、
やはり後半戦から怪我に悩まされ、ポストシーズンでは登板出来ず、
以後の2シーズンは「勝ちを計算できる先発投手」止まりの状況です。

それを踏まえると、菅野と大竹も、割り引いて考える必要があると思います。
もちろん、怪我の影響を感じさせない活躍をしてくれれば何よりですが、
二人が万全でない分、他の投手陣にとっては、むしろチャンスです。

特に、先述した杉内や、生え抜きの先輩である内海、この二人には、
菅野の不調という消去法でなく、実力で「開幕投手」を勝ち取るのを手始めに、
最盛期を過ぎたベテランという評価を覆すような、大活躍を期待したいです。

絶好調の中井大介がスタメン起用されない理由

大田泰示の陰に隠れがちですが、高卒7年目の中井大介が非常に元気です。
ドラフト1位の高卒ルーキー・岡本和真とは、重ねた年季が違うとばかりに
キャンプ中の実戦では毎試合のように快音を響かせ、アピールに成功。
三塁手である村田修一の壁さえ、今にも越えようかという勢いです。

しかし、キャンプ打ち上げ後、初のオープン戦となった2月28日の試合では
キャンプ中は絶不調だった村田が三塁スタメンの一方、中井はベンチスタート。
結局、守備で負傷した(試合後に骨折が判明)堂上剛裕と交代で一塁起用され、
快音を響かせただけに、スタメン起用されないのが勿体無いという声も聞かれます。

ですが、まさしく堂上が体現したように、中井にも「怪我のリスク」があります。
2013年8月、ダイビングキャッチで膝を強打し、靭帯損傷で長期離脱したように、
守備に自信のあるタイプではなく、かといって平然とサボるタイプでもありません。
首脳陣としても、起用法については今のところ、手探り状態という気がしています。

人工芝の東京ドームで年間試合の半分を戦う、巨人というチームに所属する以上、
巧拙だけでなく、怪我しないことも含めて、総合的な「守備能力」を身に付けないと
シーズンインしても内野手として安定的に起用されることは難しいと思いますが、
大田と同様、中井もまずは、年間を通して一軍で働くことを目標にしてほしいです。

堂上剛裕「2月に支配下登録」の深謀遠慮

昨オフに中日を戦力外となった後、巨人と育成契約を結んだ堂上剛裕
キャンプでは実戦7試合を通して打力を存分にアピールし、
土日のオープン戦を終えた直後の23日、見事に支配下選手登録されました。

「育成契約でもオープン戦に出場できるなら、開幕直前まで様子を見るべきでは?」
という意見も散見されますが、人知れず重圧と戦っていたという堂上の心中を、
おそらく現場の首脳陣、そしてフロントも把握した上で、長く様子見を決め込んでいては
開幕を迎える頃には「燃え尽きて」しまう、そんな懸念を抱いたのではないでしょうか。

巨人の鬼門は左投手、というのは現時点では必ずしも当てはまらず、
むしろ苦手にしているのは「右の本格派投手」というのが実情です。
そして、巨人の外野手は層が厚いと言われますが、左打ちの選手を列挙すると、
高橋由伸亀井善行橋本到、いずれも本質的には中距離打者で、力勝負には向きません。
守備力に定評のある松本哲也は、非力が仇となって、レギュラー取りの気配すらありません。

昨年の秋、阪神とのクライマックスシリーズ初戦、勝負所の代打でセペダが起用され、
併殺で倒れて「CS敗退の戦犯」と批判が殺到しながらも再契約が結ばれ、
更に、阿部慎之助一塁手に転向させて、打撃に専念できる環境整備に腐心しています。

そんな諸々の事情を踏まえれば、一年を通してレギュラーとまでは保証できませんが、
貴重な「左の長距離砲」である堂上が、勝負所で活躍することが出来なければ、
日本一奪回はおろか、おそらくはリーグ優勝さえ覚束無いでしょう。

ここまで書いてみて「それなら最初から支配下契約していれば・・・」とも思うのですが、
まさにそのパターンで、同じく昨オフに中日から移籍加入した吉川大幾が
今年に入って影も形も見当たらず、話題にも上らないという事実を踏まえると、
育成契約というワンクッションを挟んだのが、結果的には良かったのかもしれません。

何はともあれ、開幕まで一月ありますし、レギュラーシーズンは半年の長丁場です。
大田泰示のプチ・スランプも話題になってますが、今の時点で一喜一憂するよりも、
シーズンインしてから活躍できるかどうかが肝心なので、じっくり見守りたいところです。

良い物を作っても赤字のシャープがこの先生きのこるには

1月の発表当時、当ブログの記事でも酷評した、ガラホこと「AQUOS K」ですが
今月20日に発売を迎えたところ、価格.comのレビューでは、なんと絶賛の嵐。
レビューしているのが結構な古参ユーザーであることを踏まえると、
いわゆる「ステマ」ではなく、実際に高品質だと考えたほうが良さそうです。

気になって調べたところ、日経トレンディネットの記事が見つかりまして、
ガラホ以外にも、コーヒーメーカーならぬ「お茶メーカー」やら、
トイレの天井用に単体稼働するプラズマクラスターイオン発生機やら、
振り込め詐欺被害対策機能を搭載したファックス及び電話機やら、
色々と、とんがった物を市場投入して、いずれも大好評とのことです。

ですが、冷や水を浴びせるのを承知で言えば、それでもシャープは赤字です。
銀行が情状酌量して融資を継続してくれなければ、最悪の場合は倒産するか、
あるいはスカイマークのように再生支援を受けながら出直すしかありません。

恒常的に黒字だけれども、マンネリ化していて起爆剤が欲しいというならともかく、
今のシャープに、ベンチャー企業のような奇抜な発想を許す余裕など無い筈です。

経営陣・営業・生産現場が、それぞれ勝手な方向を見るのではなく、
一致団結して経営危機を乗り越えるのだという強い意志を示さなければ、
今度こそ、シャープという会社が潰れたとしても、文句は言えないと思います。

大田泰示は今年こそブレイクするのか

早いもので、2月も中旬、春季キャンプも折り返しの時期。
庶民が日々の慌ただしさに追われている間にも、
時間は刻一刻と過ぎていくという現実を思い知ります。

それはさておき、紅白戦が始まったタイミングで、大田泰示の評価が急上昇。
宮崎キャンプ最終日となる本日は、控え組から主力組に昇格するだけでなく、
阿部慎之助を差し置いて4番で起用される見込みというのですから驚きます。

2012年の7月、ということは2年半も前の話になりますが、
元選手・コーチの篠塚和典氏が、大田が伸び悩む要因について
指導内容を理解する力が無いのだとスポーツコラムで酷評していました。

しかし、偶然かもしれませんが、昨年のキャンプで松井秀喜氏の指導を受け、
すかさず同シーズン中に実力覚醒の兆しを見せたことを踏まえると、
むしろ従来の指導に問題があったのではないかという気もします。

今年、一年間を通じてレギュラーとして活躍してくれれば、もちろん万々歳ですが、
まずは100試合程度、出場できれば、十分なステップアップという気もします。
まだ24歳ですし、巷で言われる「後が無い」等と煽るような年齢でもありません。

松本哲也や橋本到など、レギュラー定着を思わせた矢先に怪我をして、
復帰後は以前の輝きが失せている選手も少なくないだけに、猶更そう思います。
何はともあれ、「雨の日と自転車には気を付けて」と、肝に銘じてほしいですね。

マクドナルドの復活を阻む高い壁

期限切れ肉使用問題や異物混入問題で激震続きの日本マクドナルドですが、
最近まで指揮を執っていた原田泳幸氏、更には創業者の藤田田氏まで遡って、
日本マクドナルドの成長の陰に隠れていた「失敗の本質」に切り込んだ内容です。

同情を排除するという理由で、会社関係者への取材は原則的に行われていませんが
各方面のデータを根拠としながら積み上げられた「仮説」には説得力があり、
刺激的な見出しばかりで中身の無い批判記事とは、明らかに一線を画しています。

折しも、マクドナルド本社の最高経営責任者(CEO)も交代が決まっており、
再建は待ったなしの状況ですが、日本マクドナルドは復活できるのか、
それとも「日本市場撤退」という、他のハンバーガーチェーンと同じ道を辿るのか。

本書を読む限りでは、後者の可能性のほうが高いような気になってしまいますが、
目先の利益回復を追い求めるのではなく、持続可能な新しいビジネスモデルを構築して、
賞味期限切れという残念なレッテルを覆せるのか、見守りたいと思います。